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タンザナイトとゾイサイトとの違いは?注目のファンシーカラーに迫る!

2023.03.29 2025.03.11

タンザナイトとゾイサイトとの違いは?注目のファンシーカラーに迫る!

「キリマンジャロの夕日」という形容を持つ宝石があります。ベタなネーミングではありますが、それは深いネイビーブルーの深海を思わせる美しさを誇るあの宝石です。ほとんどの方はすでにピンと来たかもしれませんね!

そう、今回はタンザニアから産出するタンザナイトのお話です。サファイアを凌ぐ青色と形容されることも多いタンザナイトは、12月の誕生石の1つとしても知られています。

今回のコラムでは美しい群青色の秘密から小桜ピンクのタンザナイトまで、その宝石の美しさを徹底検証していきたいと思います。

 

タンザナイトはどんな宝石?

タンザナイトはどんな宝石?

紀元前にまで遡る歴史がある宝石はいくつもありますが、タンザナイトは20世紀に入ってから発見された比較的”新しい”宝石の1つです。テレビなどで紹介されることも多く、幻想的なバイオレットサファイアの色合いに魅了された方はきっと多いはず。ここではまず宝石学として、タンザナイトの特性を簡単にまとめていきます。

 

基礎データまとめ

まず簡単にタンザナイトの化学、物理的な特徴について見ていきましょう。タンザナイトは比較的劈開が強く、そこまで硬度が高い宝石ではないため、宝飾品加工をする際は若干注意が必要な宝石です。

鉱物名 ゾイサイト(Zoisite)
和名 灰簾石(かいれんせき)
化学組成 Ca2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)
結晶系 直方晶系
硬度 6.75~7.00
劈開 あり
比重 3.35
屈折率 1.688~1.700
複屈折率 0.009~0.010
多色性 あり

タンザナイトとゾイサイトとの違いは?

タンザナイトとゾイサイトとの違いは?

タンザナイトはいくつかの変種に別れますが、エピドートグループのゾイサイトに属する宝石です。ゾイサイトには青、緑、黄色などさまざまな色合いが見られ、その中で青~青紫色の宝石のみを「タンザナイト」と呼びます。

つまり、青~青紫色のゾイサイトが「タンザナイト」、それ以外のカラーは全て「ゾイサイト」と呼ばれるというわけですね。

 

ゾイサイトの変種

タンザナイトとゾイサイトの変種

ゾイサイトの中にはピンク~赤色の「チューライト」、緑色の「アニョライト(ルビーインゾイサイト)」などが変種として存在しています。どちらも不透明な宝石なので、タンザナイトのように煌く透明感は感じられません。

エピドートグループに属する宝石は多くありますが、特に重要なのがゾイサイトの中で青~青紫色を呈するタンザナイトであることはいうまでもありません。

タンザナイトは針状インクルージョンやチューブ状の内包が見られますが、比較的透明度の高い宝石が多く、顕著な多色性があることで知られています。

 

■タンザナイト
青~青紫色、バナジウムによる発色、透明度が高い

 

■チューライト
ピンクや赤色、マンガンによる発色、不透明

 

■アニョライト
緑色、クロムによる発色、不透明

 

一番の特徴は”多色性”

タンザナイトの産地別多色性

「多色性」とは偏光の振動方向と結晶軸の位置関係により違った色に見える現象のことです。タンザナイトは覗き込む角度によってチラチラと多色が覗く個性が魅力であり、その多色性がタンザナイトの美しさを図る指標にもなります。

もちろんこの現象はタンザナイトに限らず、ゾイサイトに属する宝石でも確認できます。地色、産地によっても多色の出方は異なりますが、ここでいくつか例を挙げていきます。

■タンザナイト
赤、青紫、黄~褐色

 

■タンザニア産グリーンゾイサイト
緑、黄、青

 

■パキスタン産グリーンゾイサイト
緑、オレンジ、黄

タンザナイトの品質評価の規準は鮮やかさ、そして均一な青~青紫色がどの程度含有しているのかによりますが、多色の色や強さを良しとする消費者も少なくありません。

参考として、もっとも評価の高いタンザナイトは鮮やかな青~青紫の多色を見せ、色ムラが少なく、濃い褐色のゾイサイトを加熱処理したものです。(ただし加熱をしたからといって彩度が向上するわけではありません)

 

タンザナイトの名前の由来

ティファニー社は60~70年代にタンザナイトをあしらった素晴らしいジュエリーを制作

タンザナイトはいわゆるコマーシャルネームであり、正しくは「ブルーゾイサイト」です。しかし、ブルーゾイサイトは英語のSurside(=自殺する)を思わせる響きがあるとして、かの有名なティファニー社がタンザニアにちなんだ「タンザナイト」と名付けました。60~70年代にはタンザナイトをあしらった素晴らしいジュエリーを制作しプロモーションを行っています。

「ブルーゾイサイト」「タンザナイト」どちらの用語を使っても全く問題はありませんが、日本のAGLはすでにタンザナイトを宝石名として認定しています。

 

歴史と産出場所について

タンザナイトの歴史と産出場所について

タンザナイトはその名称から明らかなように、1967年にタンザニアのキリマンジャロ山麓地域で発見されました。産出場所は非常に限局的で、タンザナイトとグリーンゾイサイトはタンザニアのメレラニ地区でしか採掘されていません。

ただし、色相の薄いグリーン系のゾイサイトは最近パキスタンでも発見されています。宝石としてはマイナーな部類ですが、チューライトはイタリアとノルウェー、アニョライトはタンザニアのロンギド地区で見つかっています。

1971年にタンザニア政府が鉱山を国有化するまで、大小さまざまな坑道が掘られました。採掘者同士の闘争などの血生臭い事件も相次ぎ、多くの坑夫たちが命を落としたといいます。

タンザナイトの発見から鉱山が国有化されるまでに、200万カラット以上のタンザナイトが採掘されたそうです。現在最大の採掘ブロックであるC地区も、あと20年程度で全てのタンザナイトが枯渇するというデータも出ており、世界に出回っているタンザナイトは既に還流品で枯渇しているという声もあります。

 

タンザナイトのカラーと美しさの秘密

タンザナイトが見せる色合いとその美しさの秘密

キリマンジャロの山脈からのぞむ夕暮れから移り変わる夜の景色を思わせるインディゴブルー。タンザナイトには心に訴えかけるような美しさがあります。ここではその「カラー」について迫っていきたいと思います。

 

美しいブルーは加熱によって引き出される

美しい青紫色を呈するタンザナイトは、まず99%の確率で加熱処理が施されていると考えてください。ただしコランダムとは異なり、加熱処理をしていたとしてもその事実が価格に影響することはありません。

稀に「非加熱」を謳った美しいタンザナイトも見られますが、その場合は正否を確認した方がいいでしょう。もちろん地中で加熱された非加熱の美しい宝石もありますが、自然界で加熱された宝石と人為的な加熱を見分けることは通常できません。

ゾイサイトのほとんどは部分的に褐色、赤色を見せ、色の美しさを引き出すために加熱処理が行われるのはごく一般的なこと。この加熱処理を行うことでゾイサイトの三色性が失われ、青と紫(青紫)の二色性を呈するブルーゾイサイトになるわけです。

青色の発色要因であるバナジウムの電荷を変えて(酸化還元反応による)美しいスミレ色にするためには、通常500度前後まで加熱する必要があります。それ以上の高い温度を加えると色味の強い黄色に変化してしまいます。

なおタンザニアのマサイ族が初めてタンザナイトを発見した際は、大きな山火事が発生した後だったという伝説も残っています。褐色気味のゾイサイトが火事による加熱を経て美しい青~青紫色のタンザナイトになったと考えれば、この真偽不明な伝説もかなり信ぴょう性が高く聞こえますよね。

 

タンザニア産以外は「タンザナイト」なのか?

タンザニア産以外は「タンザナイト」なのか?タンザナイトの定義

タンザニアに起源を持たないブルーゾイサイトが「タンザナイト」として市場に流通することはよくありますが、パライバトルマリンのように産地間の相違による産地鑑別をすることは困難なのが現状です。

タンザナイトはタンザニア産が正義と思われがちですが、クロムよりもバナジウムの含有率が高いゾイサイトで、青~青紫色を呈していれば、加熱処理の有無を問わずタンザナイトと定義可能です。青い変種のゾイサイトがはじめて見つかったのがタンザニアなので、「タンザニア呪縛」はいまだに強めですが、他産地の加熱石であっても青いゾイサイトであればタンザナイトと形容は可能。

所説ありますがバナジウム含有量が約0.15程度含まれれば青~青紫を呈するようになります。ただし、クロムが多くなると緑味を帯びるようになり、その場合はタンザナイトではなく「グリーンゾイサイト」と扱われるようになります。

市場におけるタンザナイトの取扱いは、正直なところかなりバラツキがあるようです。タンザニア産のみをタンザナイトとしているところもあれば、青色を帯びたゾイサイトは産地を問わずタンザナイトとしているところもあるので線引きが難しい点は否めません。

 

ピンクにイエロー!ファンシーカラータンザナイトとは?

ピンクタンザナイト

ゾイサイトはかなり豊富なカラーバリエーションがあります。それらは内部に含有する不純物が色素要因になっており、ダイヤモンドやサファイアに見られるようなレアカラーのゾイサイトも多く取引されています。

これらはカラー名を先頭につけて「ピンクタンザナイト」や「グリーンタンザナイト」もしくは「ファンシータンザナイト」と呼ばれることがありますが、そもそも『タンザナイト』は青紫色を呈するゾイサイトに付けられる名称なので正確な呼び名ではありません。アメリカのGIAはピンクゾイサイトやグリーンゾイサイトと敬称しています。

近年、特に人気を集めているのがラベンダーからサクラ色に色づいたピンクゾイサイトです。ピンクとひとことで言っても、パープル味が強いものから、青色の多色が見られるもの、またはパパラチアサファイアのようなオレンジ系のものまで色々な表情を見せてくれます。

美しいベビーピンクのピンクゾイサイトはコレクターアイテムとして知られていますが、ピンクサファイアやスピネルなどと比べても産出量は少ないため、一般消費者にとっては少しハードルの高い宝石かもしれませんね。

 

まとめ

  • バナジウムにより青~青紫色に発色するゾイサイトを「タンザナイト」と呼ぶ
  • ティファニー社が命名しマーケティング戦略を仕掛けた
  • タンザナイトの美しさを図る指標は鮮やかな青、青紫の多色性
  • 美しい青紫色を呈するものは99%の確率で加熱処理が施されているが、価格には影響しない
  • タンザニア産以外のブルーゾイサイトをタンザナイトとして扱うか否かは意見が分かれている
  • ファンシーカラーのゾイサイトは「ファンシーカラータンザナイト」などと呼ばれることがある

パープリッシュブルーに覗く燃えるような赤い多色、もしくはグリーンをおびたカラーなど、タンザナイトは個々の美しさや幻想性が人々の心を掴む宝石です。色合いや多色性など、どこに着目するかによっても魅力のふり幅は大きいといえるでしょう。

市場に出回るタンザナイトのほとんどは加熱処理を施したものですが、それがタンザナイトの内なる美しさを引き出すために必要な処置。タンザニア産以外のブルーゾイサイトの扱いや枯渇に関しては研究者によっても意見は異なりますが、今後もその美しい青、そしてさまざまなカラーバリエーションに注目が集まることでしょう。

 

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